バーズアイメープルはハードメープルの中にごく稀に発生するもので、しかも表面近くの1/5のみでしかとれない大変貴重な材で、丸い玉のような模様が連なったり、渦巻状になって現われる杢目で、鳥の目に似た模様が集まっているところから“鳥目杢”(とりめもく)と呼ばれています。
当社で使用しているのは、カナダ・アメリカ五大湖周辺に育ったハードメープルの中のバーズアイメープルです。そのなかで最も優れた特殊杢で、別名“マーブルウッド”(木の大理石)と呼ばれ、バーズアイ100本のうち1本の割合でしか出てこない最高級材です。また大きな材料を使用し、その中でもバーズアイの多く美しいところを厳選して使用しております。
伐採は樹齢180年以上のものを真冬の気温がマイナス30度の時に行います。樹液の糖分の影響で木が黄色くなるのを避け、木を白いまま採るため、樹液の分泌の少ない真冬を選びます。
なぜこのバーズアイという特殊な模様が生じるのか、これまで多くの研究が為されてきました。寄生性のキノコによるものとか、木が若い頃に受けた傷によるものなど諸説が論じられていましたが、未だ特定されておりません。ただ木の成長に何らかの抑圧が深くかかわっているものとおもわれています。
このような不思議なプロフィールを持つバーズアイメープルはヨーロッパでは幸せを呼ぶ木という伝説もあり、エリザベス女王の居室やロールスロイスの内装にも用いられ珍重されています。
ハードメープルにはバーズアイメープルの他にカーリーメープルと呼ばれる杢も出現します。波状に現れるその杢目はバーズアイメープルにも劣らない非常に珍しい杢目として珍重されます。主に家具の他にもギター等のの素材として利用され、その美しい杢目は数々の名器、名品を生み出してきました。
当社においてもその希少性は高く、限定的に取り扱っている特殊杢です。